26.03.2021

 新型コロナウィルス感染防止措置に伴うドイツ政府の経済支援策について、最新情報の一部をまとめました。


1. 第三次給付型つなぎ資金 (Überbrückungshilfe III / Neustarthilfe)
 
 中小零細企業と自営業者に対するコロナ緊急支援が昨年導入され、今年1月以降は「第三次つなぎ資金」(Überbrückungshilfe III)として、内容が一部改定されました。年商7億5000万ユーロ以下の全業種の企業・自営業者を対象に、固定費の一部を補助金として給付します。申請要件は、2020年11月〜2021年6月の売上高が2019年同月比で30%以上減少していることです。賃貸料、保険料、車両や機械のリース料、水道・電気代などの固定費について、売上高30〜50%減額の場合には40%、50〜70%減額の場合には60%、70%以上減額の場合には90%を給付します。給付金の一部は上限10万ユーロまで即時支給されます。

 これと並行して、「新しいスタート支援」(Neu-starthilfe)の枠内で、芸術家を含むフリーランサーへの補助規定が改善されました。2019年時点で、興業や芸術活動などの専門事業による収入の比率が全収入の51%以上だった人に申請資格があります。2021年1〜6月の対象期間中、収入が2019年の同期比較で60%以上減少したことを条件に、最高7500ユーロが一括給付されます。「第三次つなぎ資金」と「新しいスタート支援」は、会計税理事務所や弁護士事務所を通じて申請し、申請期限は2021年8月31日です。


2. 短時間労働給付金(Kurzarbeitergeld)の適用期間延長

 コロナ危機の影響で操業時間を大幅に短縮した事業者に対して、昨年3月から短時間労働給付金の申請が認められています。労働時間短縮に伴って減額された従業員の給与の一部を連邦雇用庁が補填するシステムで、支給の前提は、まず該当する従業員が残業時間を消化した上で、この従業員の給与が10%以上減額されたことです。時短労働の導入後3カ月間については、子供がいない被用者に手取り給与減額分の60%、子供がいる被用者に同67%の金額が支給されています。4カ月目以降は同70%ないしは77%、7カ月目以降は同80%ないしは87%の支給額です。最長で2021年12月31日までの期間が対象となりました。

 また、短時間労働給付金に追加して、雇用者が上乗せして減額分の80%まで支払うことも可能です。これは課税対象になりますが、社会保険料は免除されます。


3.従業員に対する非課税の特別手当 (Steuerfreie Sonderzahlung)

 雇用者は従業員に年間上限1500ユーロの特別手当を非課税、社会保険料免除で支給することができます。現金か現物かは問いません。これは昨年末までの暫定的措置でしたが、2021年6月30日まで延長されました。非課税扱いとなる前提は、雇用契約に即した給与に追加して手当が支払われることです。

 

 


添付ファイル:
RINKE_Doitsu_01-2021.pdf( 1.7 MB )